滲出性(しんしゅつせい)中耳炎

耳鼻咽喉科で診る主な病気や症状

滲出性(しんしゅつせい)中耳炎

症状

音を伝える鼓膜の内側に液体がたまって鼓膜の振動が悪くなるため「耳が詰まる」「難聴」などの症状が起こります。
痛みがないため、お子さんの場合は自分で難聴を訴えることはめったになく、難聴の程度が軽ければ周囲の人も気づかない場合が多いようです。滲出性中耳炎は別名「静かなる中耳炎」とも言われています。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎

原因

急性中耳炎の後に続いて起こる場合が一番多く、鼻かぜや副鼻腔炎(ちくのう症)、アデノイドの肥大が原因で、この中耳炎になることもよくあります。

当院での治療

鼻かぜや副鼻腔炎(ちくのう症)があれば、まずその治療を行います。その治療で、中耳炎も治ることが多いのですが、治りきらない場合は、

  1. 「カルボシステイン」という気道粘膜を整える作用のある薬剤を内服します。
  2. 鼓膜に小さな穴を開け、内側にたまった液体を抜く「鼓室穿刺」や「鼓膜切開」を行います。
  3. 上記の鼓室穿刺や鼓膜切開を行っても滲出性中耳炎をくり返す場合は、鼓膜に換気用のチューブを留置する手術を行います。この手術を「鼓膜チューブ留置術」と言いますが、現在当院では行っていないため、総合病院に紹介しております。

など、いろいろな治療法を組み合わせ、鼓膜や聴力の検査を定期的に行いながら治療していきます。

治療期間

治療期間は個人差もありますし、原因にもよりますが、短ければ1、2週間で治ります。ただし長期間に及ぶ場合は、数年間を要することもあり、根気強く通院治療を行う必要があります。

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