耳の病気
耳垢
症 状
耳垢がつまると、耳がつまる感じ、難聴感、耳鳴りなどを自覚します。
アメミミと呼ばれるようなベトベトの耳垢は、臭いが強い場合がありますが、病気ではなく生理的な臭いであると考えてください。
当院での治療
ピンセットなどでも取り除けない場合は、「耳垢水」と呼ばれる液体を耳の中に何度も入れ、耳垢をやわらかくしてから洗浄や吸引を行い、取り除きます。
小さなお子さんほどたまりやすい傾向があります。お子さんによってたまるスピードは違いますが、当院では3ヶ月に一度程度の受診をおすすめしています。
耳垢が多くたまると、耳がつまった感じが出てきます。耳鼻科で耳垢を取ることは、健康保険で認められている診療のひとつです。遠慮せず「耳垢を取って」とお伝えください。
急性中耳炎
症状
耳の痛みと発熱が多く見られます。特に小さな子どもでは、症状をうまく訴えられず、耳に手をやったり、ぐずったりします。大人では痛みや発熱のほか、耳がつまった感じや難聴も自覚します。
炎症が進むと、鼓膜の裏側にある空間(中耳)に膿がたまってきます。するとその圧力で鼓膜が破れ、膿が「耳だれ」として外に出てきます。

原 因
ほとんどの場合、かぜをひいた際に、のどや鼻にいる細菌やウィルスが「耳管」という管を通って移動し、中耳で感染して起こります。
当院での治療
- 抗菌剤を内服して炎症をしずめます。
- 鼓膜表面の炎症が強い時は、点耳液という液体の薬を耳の中に入れます。
- 薬の治療だけでは治らない場合や、高熱、鼓膜が腫れている場合には、鼓膜に小さな穴を開ける 鼓膜切開を行い、膿を排出させることもあります。
痛みが消えても完治したわけではありません。痛みが治まっても聴力が低下している場合が多いので、しっかりと治るまで通院を続けましょう。
滲出性(しんしゅつせい)中耳炎
症状
音を伝える鼓膜の内側に液体がたまって鼓膜の振動が悪くなるため「耳が詰まる」「難聴」などの症状が起こります。痛みがないため、お子さんの場合は自分で難聴を訴えることはめったになく、難聴の程度が軽ければ周囲の人も気づかない場合が多いようです。滲出性中耳炎は別名「静かなる中耳炎」とも言われています。

原 因
急性中耳炎の後に続いて起こる場合が一番多く、鼻かぜや副鼻腔炎(ちくのう症)、アデノイドの肥大が原因で、この中耳炎になることもよくあります。
当院での治療
鼻かぜや副鼻腔炎(ちくのう症)があれば、まずその治療を行います。その治療で、中耳炎も治ることが多いのですが、治りきらない場合は、
- 「クラリス」「クラリシッド」という抗菌剤をしばらく内服する。
- 鼓膜を小さく切り、内側にたまった液体を抜く「鼓膜切開」を行う。
- 鼓膜切開して開けた穴に一定期間、換気用のチューブを挿入する。
治療期間
治療期間は個人差もありますし、原因にもよりますが、短ければ1、2週間で治ります。ただし長期間に及ぶ場合は、数年間を要することもあり、根気強く通院治療を行う必要があります。
外耳炎
症 状
「耳がかゆい」「耳が痛い」「耳から膿やしるが出る」「耳がポーンとする」「耳がにおう」・・・といった症状です。炎症が進むと、耳の後ろや耳の下も痛くなり、さらにひどくなると、夜も眠れないほど腫れて痛くなります。
原 因
「触りすぎ、耳そうじのしすぎ」「プールの水が入った」などがきっかけで炎症を起こします。特に気温が高い夏は、この病気にかかる方が急増します。
当院での治療
・軽症の場合・・・・・軟膏薬を塗ったり、液体の薬(点耳液)を耳の中 に入れて治します。
・炎症が強い場合・・・抗菌剤を内服します。また、膿が出ているときは 洗浄します。

加齢性難聴
特徴
年齢とともに高い音が聞きづらくなる傾向があります。聴力の低下とともに、耳鳴りを自覚することも多くなります。これらは病気ではなく、加齢に伴う現象ですので、難聴や耳鳴りの改善は困難な場合が多いのが現状です。今後、加齢に伴い聴力低下が進行する場合もあります。会話に不自由を感じるようでしたら、補聴器の検討をされるのもよいかと思います。その際はご相談ください。

突発性難聴
症 状
ある日突然、「聞こえなくなる」「耳がポーンとする」「耳鳴り」といった症状が現れ、めまいや吐き気を生じることもあります。耳垢もなく鼓膜も正常ですが、聴力の低下が見られます。
原 因
鼓膜の奥にある内耳に障害が起きる病気ですが、残念ながらなぜこの病気が起こるかはわかっていません。
当院での治療
数種類の薬剤を組み合わせた治療法を、内服や点滴で行います。この病気に最も効果的であるステロイド剤を使用し、循環代謝改善剤やビタミンB12なども使用します。ステロイド剤については、経過とともに薬の量を徐々に減量していく治療法ですので、急に治療を止めないようお願いいたします。改善度に合わせて、約1週間〜1、2ヶ月の治療期間を必要とします。

めまい
症 状
耳のめまいは、ぐるぐると回る回転性のめまいが多く、程度がひどいと吐き気や嘔吐する場合もあります。2、3日すると症状は軽くなっていきます。ひとくちにめまいといっても、各病気によって様々な違いがあるため、症状を詳しくお聞きします。
原 因
耳の奥にある三半規管が関係しています。両耳で平衡感覚を保っているのですが、急に片耳の機能低下(病気)が起こると、左右のバランスが取れなくなり、めまいが起こります。
検 査
- 聴力検査:
- メニエール病の診断のためにも必要になります。
- 眼振検査:
- めまいがある場合に現れる、眼球の揺れをみる検査です。
- 重心動揺検査:
- バランスを取る検査でめまいの程度を確認します。
- 頭MRI検査:
- 脳に病気がないか検査をします。(市民病院に依頼)
病気を診断するために、これらの検査を必要に応じて行っていきます。
メニエール病
症 状
耳鳴りや耳の詰まった感じとともに突然起こる回転性のめまいで、めまいが激しい場合は吐き気や嘔吐を伴うこともあります。強いめまいは数十分から半日程度で治まりますが、耳鳴りや難聴はめまいを繰り返すうちに悪化する傾向があります。
原 因
耳の一番奥にある内耳は、リンパ液で満たされています。このリンパ液の量が増え過ぎると内耳の中が水ぶくれ状態になり、めまい、難聴、耳鳴りが起こります。なぜリンパ液が増えすぎてしまうのかは、現在のところ不明です。
検査
- 聴力検査:
- メニエール病と診断するために大事な検査です。また、めまいが長引いたり、再発した場合には聴力の低下が進む場合が多いので、定期的に聴力のチェックをする必要があります。
- 眼振検査:
- めまいの際の眼球の揺れから、病状を調べる検査です。
当院での治療
内耳の水ぶくれの改善には利尿剤を、内耳の循環改善には循環改善薬やビタミンB12を使用します。めまい改善にはめまい薬を、難聴に対してはステロイド薬を使う場合もあります。
生活上、気をつけていただくこと
現在のところメニエール病の原因は不明であるため、完全な再発の予防はできません。ただし、メニエール病はストレスや不眠が蓄積されて起こる場合が多いので、ストレスの少ない生活を心がけましょう。
耳鳴り
原 因
- 耳の病気(外耳炎、中耳炎、突発性難聴、メニエール病、 加齢性難聴、騒音性難聴など)に起因するもの
- 高血圧症、低血圧症に伴うもの
検 査
聴力低下を伴っていないか、聴力検査は必ず行います。加えて、脳に異常がないかMRIなどの精密検査を行うこともあります。しかし、それ以外の検査はあまり行われていません。自分にしか聞こえない耳鳴りを評価することは極めて困難だからです。
当院での治療
原因となるような病気があれば、まずその治療を行います。手術で耳鳴りを治すことはできないため、一般に行われている耳鳴りの治療は、薬を飲む内服治療が中心となります。具体的には、血液循環改善剤、ビタミン剤、漢方薬、精神安定剤などです。



